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Chapter43-1 奈良県A女子学院世界一位の女

『原作』咲-Saki- 阿知賀編 episode of side-A
『人物』新子憧

 世界一位の女が決まった。
 今年も栄光を手にしたのは新子憧。
 奈良県出身の新JKである。JC時代から猛威を振るった彼女はJKになった今年、二位に大差をつけて世界一位となった。
 世界一位というのは援助交際グランプリ一位である。世界はおろか銀河の果ての妖精までエントリーが可能である。順位を決めるのは経験人数、稼いだ金額、客の満足度の合計値。
 客からの感想や、金額等は専用アプリケーション『ドスケベっ娘紹介ナビゲーション』のプロフィール欄に記載される。
 二位である松実玄は経験人数170人、金額410万円、満足度☆☆☆☆☆とある。
 平均料金は2万円、オプションでいくらかの課金となっている。金額面としては良いほうだ。満足度は最高値を示している。この数値は理想といってもいい。
 なかには下手なプレイで満足度が☆0という者もいる。サービスの悪い売り手で「させてあげているんだから文句言うな」と反論してくる。もちろんそういう女はすぐにやめるし、買い手がつかない。
 松実玄は童貞をメインに売っており、優しく包み込むような卒業式がウリだ。だから九条がきた事がない。
 そして1位である新子憧のプロフィール欄。
 経験人数370人、金額1500万円、満足度☆☆☆☆☆。
 まさに天下無双の世界一位である。なぜなら彼女はこの商売にプロ意識を欠かさないからだ。
 恋人たちが一時の愛を語らうために用意されているラブホテル。一対一で男女が入るはずの建物の一室に女1人、男3人がいる。
 女は桜色の制服を着た自信に満ちた表情をしている。両サイドの髪の一部を結った髪型は特徴的だった。ベッドに腰を降ろし足を組んでいた。下着の見えそうなスカートはひらりと動くだけで男の目を誘う。
 男たちはというと1人が女の子の前で椅子に座っている。ボイスレコーダーを持っていた。もう1人は部屋の隅でカメラを向けている。撮影用のもので時折り、女の子を画に収めている。最後の1人は記録係とでもいうべきか、机に向かってノートに向かっている。
 彼らに共通する項目があるとしたら、髪が半分ほど抜け落ちた落ち武者のような頭と歯並びの悪い気持ちの悪さを画に書いたような男であるということ。
「よろしくお願いします、新子憧さん」
 女の子に向かっていった。ボイスレコーダーが記録をはじめる。
「よろしくっ!」
 カメラに向かってウインクする。すかさずシャッターを押す。
「それではさっそくですがインタビューを始めたいと思います」
「うん、なんでも聞いて」
「まずは……ウリをはじめたきっかけをお聞かせいただいてよろしいですか」
「お金! っていいたいけど……暇なんだよねぇ。地元ってさ、何もないから遊ぶにはちょっとねぇ」
 気兼ねなく話し始める憧。
 このラブホテルの周囲も同じだ。自然が多いのどかな景色といえば聞こえはいいが結局何もないのと変らない。年頃の女の子がこんな場所にいて満足できるはずもない。
「麻雀は? 得意って聞いてますが」
「あれは別。女友達と遊ぶためにやってるだけ。男友達とはしないよ」
「いるんですか? 憧ちゃんは女子高じゃ」
「もちろんいるよ、みんなハメ友だけどね。雀荘で知り合ったオジサン中心」
「雀荘……」
「雀荘に来るオジサンって結構金持ってるし、制服見ると盛っちゃうんだって。この女の子とパコりてぇって。こっちも遊びたいから乗っちゃうんだよね」
「それは面白いですね。印象に残っている人はいるんですか?」
「ええー、そうだなぁ。あっ! この前なんだけど大阪でオジサンかな。不細工な人だったんだけど過激だったよ。キモいくせに生ハメさせろっていってさぁ、拒んでたら10万くれたよぉ」
「そ、それでさせたんですか?」
 通常、避妊する。どこの誰かも解らない男とするわけだ。もし妊娠でもしようものなら大事になる。
「もちろんっ! だって10万だよ! ボーナスじゃないっ。普通一発2万だから超ラッキーだったよ。こっちは世界一位防衛しなきゃだし」
「へぇ」
 彼女にとっては身の危険よりも世界一位のブランドのほうが上らしい。インタビューをする男もさすがに引いてしまいそうになっていた。
「でもあの人、すっごいザーメンの濃くってさぁ、ちょっとビビッちゃった」
 憧はあっけらかんとして笑った。
「で、では次の質問です。さきほども出ましたが世界一位になる秘訣、また世界一位でいられる理由とはなんだと思いますか?」
 少し、考えて、憧はいう。
「オトコの心をときめかせること、だねっ! あとはJKブランド! JCの頃もけっこう寄ってきたけど全然違うんだぁ」
「そうなんですか?」
「オジサンはどう? JKとJC、ハメられるならどっちがいい?」
「わ、私はどちらでもいいですが……」
 男にとって重要な点ではなかった。
「もしかしてBBA好き? だめだよぉ、オマンコは若い方が絶対いいんだから! 突っ込めるときは突っ込まなきゃ」
 カメラに向かってピースする。さらに伸ばした二本の指のあいだに親指を挟む。さらに写真が撮られた。
 咳払いして「そ、それで秘訣は……」といった。
「拒まないこと。オジサンたちのアイドルになることかなぁ~。あんまり言いたくないからここまでね。まぁ、ウチに勝てる女はいないけどね」
「で、ですが最近では世界三位の子が追い上げているようですが」
「そんなっ!」
「いえ、本当らしいですよ。この作品作ってる作者もそういってます。彼女、ポテンシャル高いわぁって」
「……マジなんだ……」
 突然真剣に悩みだした。インタビュー中にもかかわらず『ドスケベっ娘紹介ナビゲーション』を起動する。確かに三位の清水谷竜華が二位の松実玄のポイントを追い越そうとしていた。
「はい」
 まだかなりの差があるが、どうなるかはわからない。彼女に強力なサポートがつけば世界一位も揺らぐ。
「で、でも! たとえ世界三位が二位になって、さらに一位になっても! 私が世界一位であることに変わりないわ!」
「は? はぁ……」
「いい! 私はよしんば二位だったとしても一位なの!」
 もはや成立していない。無茶苦茶だった。世界一位に固執していた。
「わ、わかりました。それでは次の質問に移りましょう。特技はなんですか?」
「オホン、特技ねぇ……フェラかなぁ、ハメなしでもけっこう会う人いるし」
「普通援交って本番ありでは?」
「ありえないよぉ! オジサン知らないの? イマドキの援交はワリキリ、即尺、ニー5なんだよ」
「ええっとすいません。ニー5とは?」
「ニーソックス五千円の略。なんか女の子の履いてる下着よりニーソのほうがいいんだって。こっちは1日履いて蒸らすだけでいいから超ラクなの」
「へぇ……でもニーソックスなんて何に使うんでしょうね」
「ナニに巻きつけて扱くんでしょ? オナニーするときに」
 カメラに向かって手を上下に揺らした。男が自慰をするときのようだった。
 この動作も一枚の写真に収められる。
「では次の質問です。憧ちゃんの一番嫌いなタイプは?」
「嫌いなタイプなんてないよ。イケメンも童貞のアニオタでもお金さえ払ってくれればいつでもどこでも抜いてあげる」
「お金が決め手ということですか?」
「ウリだからね。とーぜん! 憧はぁ、どこのだれのおちんちんでもペロペロしちゃうよっ!」
 カメラにむかって媚びる。うっとりした、キラキラ瞳で上目遣いに見る。カメラをもつ男はシャッターを切るのが遅れた。
「ではウリではないとしたら、どうなりますか?」
「えぇっ!? ウリじゃないのにするの? もったいないよぉ!」
「いえ、あくまで過程ですから」
「うーん……そりゃぁ超イケメンの巨根君かなぁ~。カリのところが分厚いのがいい。おちんちんおっきいとキュンってしちゃうんだぁ。あとは特に気にしないかな、デカチン希望!!」
「イケメン……では、彼なんかどうです?」
 カメラの男を指した。不細工な面で超イケメンとは天と地ほど違う。
「ないわ~。世界二位の子なら喜んでおしゃぶりするだろうけど、ないわ~」
「ではいくらなら?」
「フェラだと2はほしいかな。ハメだと3ってところ?」
「では彼は?」
 今度は机にむかってひたすら記録している男。彼も顔は一緒で不細工だ。
 そんな彼をみて憧は爆笑した。
「だからさぁ、ないって! いい、世界一位なんだよっ! 恋愛対象になんて絶対なんないって!」
「そうですか。では次の質問です」
「は~い」
 心が弾んでいるのだろう。返事が軽かった。
「ネットでハメ撮り配信する場合、おいくらですか?」
「えっ?」
 笑顔が固まった。
「ですから、憧ちゃんがパコパコする姿を生で配信する場合、いくら払えばいいんですか?」
「そ、そんなの無理だって!」
「無理って……なぜです?」
「あ、あのね! ネットで配信なんかしたらバレちゃうじゃない!」
「ですからその分も含めておいくらなのかと伺っているんです」
「はぁ!?」
 男は真剣だった。憧のほうが混乱していた。どこの誰がネットでハメ撮りを配信するのか。そんなことをすれば世界中に自分は淫乱ですと触れ回っているようなものだ。
「あまり気が乗らないご様子ですね。おい、例のモノ持って来い」
 記録係の男がケースを持ってきた。憧の前に置き、開く。入っていたのは札束。一万円札がびっしりと詰まっている。男はその中から適当に掴んで憧へと見せた。
「ここに現金で50万円あります。これではどうでしょうか?」
「ええっ!? で、でも生で配信でしょ? ないよ」
 驚きつつも首を横に振る。男はさらに金を掴む。
「では100万!!」
「ふぇ」
「わかりました。さらに100万追加で200万」
「ええっ!!」
「まだ無理ですか? 仕方がありませんね。500万でいかがですか?」
「ご、500……」
 男の手に札束が握られている。まだスーツの中には現金がたんまりと入っている。憧はいったい何が起きているのか理解できなくなっていた。
「援助交際で500万です。世界一位をあと二年は維持できますよ!」
 根拠などあるはずもない。
「二年間、世界一位……」
「そうです! 今後、新子憧ちゃんはオジサンたちのアイドルだけでなく、ネット界のアイドルにだってなれますよ」
「そんなぁ~アイドルだなんて~」
 札束で憧のほっぺたを撫でる。札の質感というものはおそらくシルクよりもなめらかだろう。特に彼女のようなJKにとっては何物よりもわかりやすい記号だ。
「謙遜しないでください。すでにあなたは世界一位なんですよ」
「そう……だよね!」
「ですからその姿をこれからお客さんになるだろう世界中のオジサンに見せましょう!」
「うん!」
「というわけで撮影スタートです!」
 後戻りさせるつもりはない。男がそういうと札束が解けて部屋に舞った。憧が紙幣の雨に目を奪われている隙に三人よりももっと酷い顔の男たちが入ってきた。
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プロフィール

Author:之ち
之ち(ユキチ)

小説中心に活動中。
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大阪在住・12/28生
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