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第17話 ルサリィ 帰還

 敏感な部分がまさか尻とは思わなかった。
 カズマは風呂場の一件を終えると寝室に戻ってきて1人天井を見上げていた。
 あの強く勇ましい狂戦士。ルサリィと自分の危機を助けてくれたイェレの尻の感触はまだ指先の残っている。彼女の敏感な部分が尻穴であることは予想外だったが、つきとめられたおかげであの高圧的な態度にも歯止めが利くだろう。上手くいけばまた、イェレの膣内を味わう事ができる。カズマはゆっくりと深呼吸して眠りについた。
「……きろ……バカが……お……ないかっ……」
 ベッドが揺れて声が降ってきた。眠気は浅かったようで何者かの声が途切れつつも聞こえていた。
「バカマスターっ! おきろ!」
 居住区にいるのは自分とイェレ。声の主は彼女しかいない。さらにいうなら自分をバカマスターなどと呼ぶ人物は彼女以外にいようはずもない。
「どうしたの?」
 目をこすってめやにを落す。
 カズマがやっとの事で目を開くとそこにはイェレの顔があった。いますぐにも唇の触れそうな距離だ。意識が強制的にはっきりとさせられた。銀色の髪が垂れて、身体に触れていた。くすぐってくるような感触が心地良い。
「夕食は食べないつもりか? せっかく用意してやったのに」
 目がすわっている。ベッド脇にある時計を見ると眠った時間がほんの二時間程度だと知る。ちょうど、夕食の時間だった。
「ごめん、食べるよ。でもさ……」
「なんだ? いまさら夕食に追加メニューなど」
「そうじゃないよ」
 腕をイェレの背中にまわす。戦闘用のボディスーツの途切れ目が指に触れた。ボディスーツの背中は開いている。うなじから背骨に当たる部分はゴツゴツとした骨格が人間同様に流れている。
「まさか、またシたいなんていうんじゃないだろうなっ」
「イェレはシたくないの?」
 ぐっと彼女の身体を自分へと寄せる。力を抜いていたのか、イェレの身体はカズマの懐へ落ちた。ボディスーツのゴテゴテした装飾物の下で水密桃と呼ぶべき肉珠が潰れた。
「ほう……」
 感心するようで呆れた声。密着し形を変えたのは水密桃だけではない。もっと下の交わるべき部分に硬い物体を挟んでいる。寝起きの生理現象だが魅力溢れるアンドロイドが眼前にいるなら話は変わる。
「また勃起させて……風呂場であたしの尻をまさぐって……あの時、シていればよかったのに……なんだって今頃なんだ……」
 挟まった男の劣情が窮屈になるほど腰をすり寄せてくる。負け時とカズマも押し上げる。
「今ならイェレの感じちゃうところわかってるし、ただやられっぱなしってわけにはいかないよ」
 自信がある。なにせ指一本であの乱れ様だったのだ。イェレが尻穴でときめくことは間違いない。これでセックスすれば間違いなく彼女をイかせられる。
「いいだろう。あたしが慰めてやる。ただし、あたしも感じさせろ。ちゃんと、愛してくれ。それが条件だ。尻穴を無闇に責めるようなことをすると……嫌いになってやるからな」
 胸板に顔をうずめた。カズマには見せなかったが顔が真っ赤だった。だがヘッドギアが発光していた。彼女の思考は筒抜けであった。
「わかったよ」
 髪を撫でつつ、尻も撫でる。食い込みの激しいボディスーツは弱点である尻穴を完全に覆っている。ぴっちりと張り付いたテープのように隙間さえなかった。
「こらぁ、早すぎるぞ」
 笑って誤魔化した。
「さぁ……まずは……ん?」
 いざ、これからというところでイェレが腰をくっつけたまま上体を反らした。カズマは水密桃の上下運動を目視しつつ、突然の事に驚いた。
「どうしたの?」
 イェレの目が部屋の天井をぐるりと一周する。なにかを追うように入念な動きをしていた。
「ねぇ、イ――」
 指が1本、唇を押さえてくる。声を消されると緊張が走った。
「黙れ、バカマスター。来客だ」
 ヘッドギアが降りる。顔の半分を覆う赤い瞳が戦闘を告げる。
 今日誰かが来るという話はない。イェレのいう来客は、侵入者のことだ。
 赤い瞳が対象を確認したようだった。立ち上がり、カズマを1人きりにしてドアへと向かう。
「いいか、そこでじっとしてろ。必ず守ってやる」
 男がいうべき言葉だったが彼女が言うと頼もしく思えた。寝室を出て行くイェレの棚引く銀髪を見送る。
 居住区の外にも警備がいる。ここまでやってくるということは相当の部隊のはず。パーティーへ向かった日のことが甦ってくる。あの銃撃がここで再現されるのだけは絶対にイヤだった。
 イェレが部屋を出て行ていってからというもの何一つ音がしなくなった。
 しんと静まった寝室。緊張だけが身体のなかで蠢いている。
「はやく戻ってきて……イェレ……」
 何より彼女の安否を確認したいと願っていた。侵入者に倒される姿を見たくはない。想像はしたくなかったがどうしてもしてしまう。
 負の感情が渦巻くと寝室のドアがゆっくりと開いた。
「誰!? イェレ?」
 ドアは開くが誰も入ってこない。しかも声に反応がない。
 確かめようと身体を起こす。
 ベッドから離れると、彼女が、立っていた。
「マスター、ただいま戻りました」
 妖精と見紛うアンドロイド。初めての相手であり、負傷した彼女が無表情で佇んでいる。
「ルサリィ!?」
「S-PX-01-1ルサリィ、機能回復が完了しましたので再び任務を遂行するため戻ってまいりました」
 冷たい機械のような声だった。感情が感じられない。けれど彼女であると認識できた。
 まぎれもない彼女だと確信をもって接する事ができる。
「おかえり」
 頭を下げるルサリィ。その奥ではヘッドギアも収納したイェレが立っていた。
「侵入者はルサリィだった。ほかに問題はなかった」
「ありがとう、イェレ」
「礼を言われることはしていないぞ。それよりも電話だ」
 いつからか、コンソールが鳴っていた。だがルサリィの姿に見蕩れていて気付かなかった。確かめると発信者の名前はスオウ・ミカと出ている。カズマは電話をつなげる。
「やっと繋がった! ごめんね、カズマくん。そっちに……ってやっぱり……」
 現れた平面画面に映ったスオウはかなり慌てた様子であったが、ルサリィの姿を見た瞬間、いつもの彼女に戻った。
「ルサリィ、あなたまだ完璧じゃないのよ。戻ってらっしゃい」
「スオウ博士、私の機能は修復されています。マスターの身の回りの世話を行なうには十分だと判断します」
 外見だけなら修復は終わっている。
「そういうことじゃないのよ、ねぇ、カズマくんからもいってやってよ」
「どこが治ってないんです?」
「治ってないっていうか、感情システムの具合をチェックしてたのよ。私の設定した人格と違うから。そしたら勝手に目を覚ましていっちゃうんだもの」
 そういえばと起動時のことを思い出す。
 あの時、スオウはルサリィをみて妙だといっていた。
「それなら問題はないと思いますよ」
 人格に関していえば今のルサリィがユニークである。むしろ変化してしまうことのほうが恐ろしい。
「そう? そうなの、ルサリィ?」
「人格プログラムに故障は見当たりません。マスターも私に不具合があると考えていないので問題はありません」
 はっきりとそういうルサリィにスオウは溜め息をついた。
「わかったわ。でも少しでもおかしいと感じたらいってね。イェレ、お姉ちゃんの事、見てあげてね」
「フンっ!」
 いわれてすぐ首を振った。
「私は問題ありません」
「どうだか……」
「じゃあね、カズマくん。なにかあったら連絡、ちょうだいよ」
「は、はい……」
 電話が切れる。
 アンドロイド二体を見るとルサリィはじっと固まったように見返してくる。イェレはというと壁を背もたれにして腕を組んでいた。横目にカズマを見ているがなにもいわない。
 なにをどうしようかと悩むと真先にルサリィが口を開いた。
「マスターの股間に性的興奮が感じられます」
 さっきまでイェレと愉しもうとしていた股間は勃起したままだ。
「性欲の解消を激しく推奨します。いかがなさいますか?」
「なっ! ダメだ!」
「どうしたのですか、イェレ?」
「マスターはあたしとするんだよ! っていうかルサリィが来る前はしようとしてたんだ」
「本当ですか?」
「う、うん……」
 彼女達はアンドロイドで奉仕する存在。ご主人様の命令に絶対である存在。
「マスターはどちらとしたいのですか?」
「当然、あたしだよなぁ?」
 イェレが左から身体を押し付けてくる。水密桃の柔らかさだけでなく耳元へかかる吐息まで性を貪る淫魔のごとく、刺激してくる。
「それとも私ですか?」
 ルサリィも負けていない。右から身体を押し付けて乳房を歪ませる。カズマの脚と自分の脚を絡ませると右耳に吐息を吹きかける。まさに妖精の如く誘惑してくる。
「え、えっと……」
 まさかの事態に答えがだせない。どっちとするかなど考えが纏まるはずもない。
「「どっち?」」
 両者力を抜く事はない。肉の柔らかさと吐息にくらくらしてくる。カズマは観念して正直に答える。
「どっちも!」
「かしこまりました、マスターのご意志を尊重します」
「マジかよ……」
 ベッドに3人が倒れこんだ。
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2013-01-24 : 小説 : コメント : 0 : トラックバック : 0
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Author:之ち
之ち(ユキチ)

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