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Chapter110-2 暴虐進撃

『原作』ヴァンパイア、ストリートファイター、餓狼伝説(KOF)シリーズ
『人物』モリガン、春麗、不知火舞




 戦闘開始の合図を継げる鐘の音が闘技場全体に響き渡ると同時に不知火舞と春麗が同時に攻撃に出た。
「いくわよっ! 花蝶扇!」
 手にしていた扇子を少年へと投げる。扇子は空を切るように回転しながら飛んでいく。
「気功拳!」
 春麗の手に気が集まる。両手を合わせ、押し出すようにして気を放つ。舞の花蝶扇と速度とほぼ横並びのまま少年達のいる場所へと向っていく。
 少年が戦えないのは目に見えている。実質3対2だ、分散すれば1人が少年を狙えるだろう。だがカードから出現した不気味さにまずは遠距離からの攻撃でどう対応するのか見極める必要がある。春麗は目を凝らして自分の放った技の行く末を確認する。
 25メートルの巨大リングとはいえ2人の放った技はすぐに少年側へと到達する。どちらの技も当たれば無傷ですまない。なのに防御役といわれたスライムは動く気配が無い。少年も同様にその場から動かない。自分を狙って飛んでくる扇子と気の塊に表情を変える事も無かった。
 迫ってくる必殺技に動いたのは攻撃役の大男だった。
 少年の前に出て花蝶扇を腕で軽く払い、気功拳をその身で受ける。
「なっ!?」
 大男は少年を守りきると巨躯を揺らしてリングを駆け出した。ダメージはあるように見えないが無謀ともいえる行為でもある。猪突猛進してくる大男の姿にモリガンが微笑した。
 少年の傍から大男がいなくなった今、守り手はスライム一匹。ある場所からなら標的を狙う事は容易い。
 モリガンは翼を変化させて上空へと飛び立つ。天井は遥か上空である。空を飛ぶことなど容易いモリガンにとってこのリングは最高のステージだった。
 飛翔していくモリガンは春麗のように両腕に力を込めていく。
 地上で走る大男は少年からすでに10メートルは離れていた。あとはスライムの動きだがまだ反応さえない。腕に力が集まると少年へと向ってソウルフィストを放とうとした。
「ふふ……ここからならぼうやの姿がよく見えるわよ」
 その瞬間、地上を走っていた大男の姿が春麗と舞の視界から消えた。
 迎え撃とうとしていた2人は敵の姿を見失ったが上空の異変に顎を持ち上げた。
「だめっ! モリガン!」
 春麗が叫んだが遅かった。大男はモリガンのいる場所まで自分の足だけで飛んでいたのだ。
「嘘でしょっ! なんなのよあいつ!」
 ソウルフィストの体勢に入ったモリガンは集中しているため無防備になっていた。
「ソウルフィ――」
 必殺の一撃を放とうとした刹那、そこへ飛んできた大男が足首を捕まえる。
「なっ!?」
 腕に溜めたエネルギーが霧散しただけはすまない。掴まれた足首はそのままで大男と共に落下しはじめた。
「このっ! 放しなさいっ!」
 大男はなにもいわない。モリガンの足首を捻じるようにして地上へ向っていく。
「くっ! このっ!」
 落下スピードが速くなっていくなか、リングが目に入る。なんとかしてスピードをゆるめようと羽を動かすが抗えない。
 大男は自分の足がリングに着地する瞬間にモリガンの足首を掴んだまま振りかぶった。
「ひぃっ!?」
 近づいてくるリングの表面を避けようがなかった。大男の振りかぶった力と落下スピードが全身を硬直させた。
 小さな悲鳴が口からでる。ほぼ同時にモリガンは顔面からリングに叩きつけられた。

 ベシィィィィィイイイン!!

 強烈な一撃音がリングに響く。モリガンの激突は見ていることしか出来なかった2人の足裏にも届いていた。広いリングにも関わらず伝わってくる衝撃は腰にまで響く。あまりにも凄惨な一撃であることは羽をピクピクと痙攣させる姿から見てとれる。
「これは痛いっっ!! モリガン選手顔面から落ちたぁああああっ!!」
 実況席の男の声にハッとして春麗がモリガンへとと走り出す。大男がまだ傍にいるにも関わらず起き上がってこない。
「モリガンッ!」
 名を呼ぶ声に返す声がない。
 ぐったりとして動かない。彼女の身体はまたしても大男によって宙を舞いリングへと叩きつけられる。

 ベシィィィィィイイイン!!

 またしても打ち付けられる淫魔の肉体は柔らかく豊満な乳房が潰れていく。
「あぐぅ……ぐぅ……ぐぅぅぅ」
 怪力によってリングに叩きつけられる。観客達は無残な姿に拍手を浴びせる。会場全体から湧き上がる熱狂的な騒音は春麗と舞の心音を加速させていった。
「うぐっ……ぐぐぅっ……」
 モリガンの声が消えかかる。身体は震えたままでひきつっている。反撃に出るなど不可能だ。起き上がることさえ難しいだろう。
 標的の少年を倒せば終わるが1人きりにできるはずがなかった。
「舞は攻めて! あいつは私が倒すわ!」
「わかったわ!」
 スピードのある舞を攻めにまわしてモリガンを助けようとする。
「男を勃起させた淫魔がさっそくとばかりにオシオキされて今度は舞選手が走る! 相手は防御役のスライムだがどうする?!」
 舞は標的まで駆けて行く。速さ自慢のくの一は少年との距離を詰めていく。
 もう5メートルというところで、スライムが立ち塞がった。大男の能力を見た今、ただの遅い怪物という意識は無い。全力で消し去るくらいでなければならない。
「やっと動いたわね、でもそうくるのはお見通しよ!」
 舞は走ったままスライムに必殺の一撃を与える。
「燃えなさい! 龍炎舞!」
 腰から棚引いている布が火炎に包まれるとそれをスライムに浴びせる。スライムは炎によって大きく三つの塊になって飛び散った。
「やったわ! このままあの子を……」
 勝利を確信して少年に向おうとする舞だったが実況席からの一言が足を止めさせた。
「なんとスライムがやられてしまったああ! しかし後ろで仲間の2人が惨いことになっているぞ! 不知火選手それでいいのかぁああ!?」
「えっ……」
 大男からモリガンを助けるために向った春麗がどうなったのか気になって振り返る。
 遠方に見えたのは地面に伏したままのモリガンと圧倒的な力に負けている春麗の姿だった。
「くぅっ! この! たぁっ!」
 モリガンを助けるため近づいた春麗は必死に大男をひきつけたのだ。防御さえできないモリガンが攻撃されれば醜態を晒すのは目に見えていたからだ。
 大男に春麗の蹴りは全く効かなかった。人間の姿をしているがまぎれもないモンスターだが時間を稼ごうと必死に抵抗した。
 だが何度も蹴ってもビクともしないのだ。次第に蹴った脚が痺れてくる。まるで鋼鉄のサンドバックを蹴っているようなものだ。
 こんなことは初めてだった。あまりに力の差が激しい。
「たぁぁああああっ!!」
 全力を込めた蹴りを大男の顔面に放つ。だが、やはり、無意味だった。
 バシンッ! と響く音だけがむなしく響く。
 そして遂に大男が腕を伸ばしてくる。咄嗟の事で手を払いのけようとした。
「あぐぅっ!?」
 春麗の手を大男の手が捕まえる。そのまま上から押さえつけてくる。まるでプレス機だ。
 脚に力を入れてふんばろうとするが圧倒的なまでの力で押さえつけられてしまう。
「この……化物っ……ぐぅぅぅ」
 全身の筋肉が悲鳴をあげ、体力が削り取られていく。

 ……だめっ、このままだと押し潰されてしまう、なんとか放れないと。

 反撃のチャンスを窺う春麗だったが次の瞬間、身体はふわりと浮かぶほど軽くなった。
 大男が力を抜いたのだ。そればかりか捕まえられていた手が放れている。どういう理由かは検討もつかなかったが放れられるチャンスだった。
「ふぐぅぅうううっ!?」
 だが逃げられなかった。
 凄まじい一撃が春麗の腹筋を砕く。
 大男は春麗の腹にボディブローを叩き込む。
「ふぐっ! ごほっ! おぉ゛っ゛!」
 何度も同じ箇所に叩き込まれる巨大な拳に春麗の身体はリングから放れる。あまりの力で春麗の身体が浮き上がるのだ。
 あまりにも惨たらしいその姿に不知火舞は冷静でいられなかった。
「春麗っ! 今助けるわ!」
 少年までの距離は約5メートル。一撃でも与えれば勝利はできる。しかし仲間が受ける暴力を見過ごすわけにはいかない。
「きちゃだ、ふぅぐぅっ!」
 青いチャイナ服に拳の跡がつくほどめり込んでいた。
 そこに響いたのは観客席からの声だ。
「舞ちゃ~ん、はやく助けないと春麗が死んじまうぞーーーーー!」
「いいぞ! そのままぶっ殺せ!!」
「舞ちゃんどうすんの~! 仲間見殺しにしちゃうの~! 女って薄情だねぇ~!」
 誰一人彼女達を心配する者はいない。歯を噛みしめて走り出そうとする。
「ふざけないでよ! 助けるに決まってるでしょ!」
 動かそうとした瞬間、なにかが足首に絡みついていた。バランスを崩した舞はその場に倒れてしまう。
「きゃぅっ! ちょっと! なによこれ! 離れなさいよ」
 倒したはずのスライムが足に巻きついていた。
 3体に飛び散ったうちの1体だった。
 引き剥がそうとした腕も足も全部飲み込まれていく。生暖かいゼリーのような感触がやがて動き出し、背中全体に広がった。
「やだ、動けないっ……このっ! この!」
 動けば動くほどスライムの粘液が肌に食い込み力が出なくなってしまう。助けるどころではない。どうにかしてスライムから抜け出さなくてはならない。
「なんでっ、こんなことしてる場合じゃ」
 動かせば動かすほどスライムに身体が入っていく。次第に動かせる部分も少なくなり、やがて四肢は自由を失った。
 舞には春麗を見ることしかできない。
「あぐっ! ぐぅぅ……こ、のぉ!」
 執拗なまでのボディブローが終わるころには春麗は立っているのもやっとだった。何十回と殴られた腹は服の下で青くなっている。
 ふらつく春麗が大男から後退りするがその後ろに蠢く物体に舞が気づいた。
「だめっ! 春麗! 後ろにスライムがっ!」
 飛び散った3体のうち1体が春麗の傍に迫っていたのだ。
「……えっ!?」
 声に反応した春麗が背後に目を向ける。絶対に目を離してはならないのは大男だというのに。
 舞の目には春麗の最後ともいうべき姿が写っていた。自分の声に反応し、スライムを見ようとしたほんの僅かな隙が生じる。
 防御に回す力に綻びが生じた一瞬を大男が逃すはずがなかった。ただでさえ防御した部分をそのまま砕くほど凄まじい力を持つ大男が飛び、全身の力を両足へと篭めて蹴った。

 ドゴォオ!

「うぅお゛っ゛?!」
 当然のように春麗の身体は曲がり、吹き飛ぶ。
 その先にはスライムがいた。スライムの粘液が春麗の背中から四肢の先までを覆い尽くす。
「おおっと! 春麗選手ズタボロになってスライムに捕まったぁぁあああっ! 起き上がれるか? 起き上がれないかぁぁ?」
 もがいていたのは数秒だけだった。
「んぅ、んぐっ! やめ゛……」
 スライムに身体の自由は奪われてしまう。
「無理のようだ! もう少し戦ってほしかったんですが無理みたいですねぇ~。おおっと大男が再びモリガン選手に近づいていくぞ!!」
 リングに激突し伏したままのモリガン。まだ起き上がることができていない。
 そんな彼女の背中に大男は尻を置いた。外見から見てとれる大男の体重は余裕で100キロを超えている。もしかしたら200あるかもしれない。その怪物を押しのける事などできないだろう。
 モリガンは危機を察したのか動いてみせた。春麗と舞、2人には彼女の恐怖が痛いぐらいにわかってしまう。
 大男は腕を振り上げるとむっちりとした尻を狙って振り下ろした。

 バチィィィィイイイインン!!

「うひぃいいいい゛!!」
 淫魔の尻が大男の手のひらによってはたかれた。俯いていて見せなかった顔だが反射的に持ち上げてしまう。白目をむきかけた悲痛な表情が観客達を興奮させる。
「おおっと、モリガン選手まだ声はでるようですね!」
 実況席では楽しそうに男が喋る。

 バシンッ! バシンッ! バシン!

 何度も振り下ろされる大男の手のひらに尻が腫れ上がってくる。
「やめっ! やめなさいっ! ひぃっ! ひぎぃぃっ!」
「あの変態衣装のせいでデカ尻が腫れていくのがよくわかります!」
 身体のラインがはっきりとわかるモリガンの衣装は腫れた尻肉の形もくっきりしている。

 バシンッ! バシンッ!

「ひぐっ! ぐぅぅぅっ!?」
 大男の平手打ちは弱まる事は無い。春麗の腹を責めた時と同じで同じ場所を何度も何度も執拗に責める。
「あ゛あ゛っ゛!! もうやめっ! やめてぇえええ!」
「なんとも哀れな女の声ですねぇ、あれが淫魔の嬌声でしょうか? モリガン選手、どうなんですか? その声で男をひっかけるんですかぁ?」
「ふざけ、ぐぅっ、なひでぇ、いぎぃぃいいいいっ!」
 モリガンは痛みから逃げるため自然と足を開いていた。閉じていれば尻に肉がよって痛みが何倍にもなってしまうからだった。だがそうすることで喜ぶもの達がいた。
「はははっ! なんだよあれ! 蛙みたいだぞ!」
「無様な格好だよな~! なっさけねーーー!」
「おいおい、3人とももう終わりかぁ~、ほんと無様だぜ」
 観客達が嘲笑う声に3人は歯を噛みしめた。それぐらいしかできなかった。
 しかしまだ終わっていない。
 大男はモリガンの背中から尻を退けるとひっくりかえした。仰向けにさせてまた尻に敷いたのだ。
 見えていなかった敵を抵抗できない状態で見上げるしかない。
 大男は無表情のまままたしても腕を振り上げた。今度は平手ではなく拳である。
「まさか……やめなさい、やめっ……」
 拳が振り下ろされたのはモリガンの顔。巨大な拳は容赦なく女の顔を殴った。
 ごんっ! という音と共にモリガンの鼻から血が噴出した。
「ふぎぃぅっ」
 小さな声がするとまた腕は振り上げられる。そしてまた落ちる。
「んがぁっ!」

 ゴンッ! ゴンッ! ゴンッ! ゴンッ! ゴンッ! ゴンッ!!

 殴られるたびにモリガンは足をびくんと跳ねさせる。
「やめて! お願い! もうやめて!」
 顔面が崩れていくモリガンを見て悲痛に叫ぶの舞。彼女の拳は悔しさをあらわすようにぐっと握られていた。

 ゴンッ! ゴンッ! ゴンッ!!

 舞の声など届かない。彼女の美しく妖艶であった顔は尻同様に晴れ上がっていく。
「あうぅぅ……」
「これはヒドイ! モリガン選手の顔面がまるで豚のように腫れあがってしまってます!」
 顔面が砕かれたようになり、頬が腫れ上がってしまった。いかにサキュバスといえども男を誘う事などできるはずがない。
「うぅ……うぅ……」
 呻き声をあげることしかできなくなると大男はモリガンから退いた。
「うぅ……うぐっ、うぐ……」
 まだダメージを受けていない腕で身体をひっくり返す。仰向けになっていると尻がリングに擦れてしまうからだ。這いつくばった状態でもぞもぞと動き大男から放れようとする。
「おやおやモリガン選手逃げようとしているのか? だがまるで身体が動いていないぞ!」
 逃げようともがくモリガンだったがただ腕を動かしているだけにしか見えなかった。
 いっこうに開かない距離に観客達も爆笑していた。
 大男だけがモリガンを見下ろし無表情だった。
「ふぅ、ふぅ……ふぅ……」
 必死に呼吸するモリガンの顔の腫れが引いていく。回復力の高さのおかげで美貌だけは元に戻ってようだった。
 だが遂に最後の一撃がもたらされる。
 無様に開いたままの足の間へと大男は全力全快の蹴りを食らわしたのだ。
「んんんぅぅうううううううう゛う゛!?」
 股間への一撃はこれまでのものとは明らかに違っていた。
 急所である股間に受けたダメージをどうにかして逃すためだったのだろう。モリガンは膝を立て、背をそらして尻を高々と持ち上げていた。
 しかしそれだけで済むはずは無い。急所に受けた一撃によって完全に最後の砦は崩壊した。

 ジョボボボボボボボボオ……。

 モリガンの股間から小便が零れだした。白いリングに黄金色の染みが広がっていく。
「なんと無様な光景でしょう! モリガン選手まさかまさかの失禁です! サキュバスが股間を蹴られて失禁! なんと醜い生き物でしょうか!」
 堪えられるはずが無い。
 恐怖と痛みが限界を超えて小便が洩れる。
 大男は尻を持ち上げて失禁したままのモリガンの緑の髪を掴んで引きずっていくと最後のスライムへと放り投げた。
 スライムはがっつくようにモリガンを包み込む。
 これで3人全員がスライムに捕まった。
「なんて……ひどいことを……」
 意識がはっきりとしているのは舞だけだ。春麗は目を開いているが口は動いていない。動かせば殴られた腹が軋むからだ。モリガンにいたってはまだ小便が洩れている。
 殴られていないのは舞1人。
「そんなこと言ってられなくなるよ、舞さん」
 いつのまにか、少年が傍に立っていた。いや、舞を捕まえているスライムが少年の傍へ移動していたのだ。モリガンと春麗を捕らえたスライムも近づいてくる。
 少年の無感情な声が舞の背筋を凍らせた。





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プロフィール

Author:之ち
之ち(ユキチ)

小説中心に活動中。
ジャンル問わず面白ければ好き。
大阪在住・12/28生
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